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大門句会

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大門句会勉強会その366

大門句会勉強会その366_a0186995_08254094.jpg今回の兼題は野里子さん出題の「初乗」です。

◇野里子
初乗りや先頭車より見る線路
初乗りの一駅間を微睡みて
⇒運転席の横の窓から列車の先に延びる線路を見ているのだろう。子供がよくやるがカーブのところなどは大人でも楽しい。
こちらは座って居眠りだ。日差しを背中から受けてあたたかいのかも。

◇馬空
船頭は若き娘や初渡船
トレセンの夜明けや人馬息白し
⇒対岸と行き来するだけの小さい船だろう。親父は引退なのか今日だけのアルバイトかわからないが正月そうそう初々しい気分でいい。
トレセンとは競走馬の調教場のことだろう。夜明けの厩舎はもちろん暖房などないから冷え切っている。馬も世話をする人も息が白い。

◇さら
初電車八幡宮の客ばかり
霜強し高速道の音はるか
⇒鎌倉の鶴岡八幡宮でしょうね。初詣の客が電車にいっぱい。コロナ対策は大丈夫?
高速道をながめる場所の田んぼのあぜ道か。周りは降りた霜で真っ白。

◇蒼月
初電車通勤客は押し黙り
寒月のぬつと出でたる団地かな
⇒普段から通勤電車でしゃべっている人はあまりいないがこのご時世だからなおさら。テレワークは呼びかけられているけれど通勤客は減りませんね。
白い団地群の上に凍てつくような月。「ぬっと出でたる」というと春の月の感じ。中天に皓皓と光っている方がいい。

◇遊介
初乗や何処へと誰も聞かぬまま
祖母の手を取りて駆け込む初電車
⇒不思議な景ですね。自動車に何人か乗っているけれど運転手以外は行先を知らない? まあいいか。
こちらもどこへ行くのか知らないけれど、お年寄りを引っ張って電車に駆け込むのは危ないですよ。

◇光
マスクして無言でスマホ初電車
朝日浴び改札通る初電車
⇒初電車に限らず電車の中はまったくこの通りですが正月くらいスマホはやめたら。
こちらも初電車に限らない景。どこかに正月らしい発見がほしい。

◇長月
初乗や息子ハンドル恐々と
コロナあけ初電車乗るサラリーマン
⇒今日は補助輪を外して初めて自転車に乗るのかも知れない。
「コロナあけ」の「あけ」とは。コロナが終息したということ?

◇はな
図書館へ初自転車の籠の本
若菜摘むバスの終点円海山
⇒図書館へだから借りていた本を返しに行くところだ。考えてみれば今年初めて乗った自転車だった。
円海山は知らなかったが横浜市のハイキングコースになっている低山らしい。そこへ春の七草を積みに来た。七草全部は難しいだろうが新年の古いしきたりをやってみようとするのがいい。

◇勝山
初乗のバスやなかなか発車せぬ
シクラメン「巡回中」と立て札に
⇒正月だから運転手も乗客ものんびりしているのか。そんなこともないだろうがこちらもそう急ぐ用でもないしいいか。
場所がわからないが、交番?守衛室? とにかくシクラメンがおかれてある。春の季語だからちょっと早い。

◇あかね
初乗りの牛車由布島島巡り
初飛行地球の色を崇めつつ
⇒由布島は沖縄の八重山諸島にある島らしい。南国らしい牛車でのんびりと島巡り。いいお正月。
地球の色はちょっと大げさな気もするが沖縄の海と島の織りなす景色は崇めたくなるほど美しいながめだったのだろう。

◇夢路
初電車ねこ駅長のしたり顔
乗初はねこ玉電で豪徳寺
⇒ねこ駅長の元祖は和歌山電鉄貴志川線の貴志駅だが今では全国にあるみたい。これはどこだろう。
東急世田谷線の前身の玉電110周年のイベントでねこだらけの電車が走ったようだ。それに乗って沿線の豪徳寺に行った。

◇三四郎
初乗りの乗馬クラブや胸張つて
コンパクトひとつが妻の初鏡



# by yqi00602 | 2021-01-10 08:27 | 勉強会 | Comments(0)

大門句会勉強会その365

大門句会勉強会その365_a0186995_10244400.jpg今回の兼題は馬空さん出題の「山眠る」です。

◇野里子
山眠る草を掃へば道祖神
眠り行く山に囲まれ古墳群
⇒まさに草深い山道をたどっていたのだろう。こんもりとしたところがあってかぶっていた草を掃ったら道祖神があらわれた。この石像も眠っていたのだ。
枯れ果てた里山に囲まれた古墳群だ。千年以上も眠りついている古墳だが背景には眠る山がふさわしい。

◇馬空
山眠る分校生徒五人とて
生卵ごくと呑み込む冬の朝
⇒生徒五人でかろうじて存続している分校だ。授業はどうやるのだろうか。ふるさとの山が静かに見守っている。
寒い朝だが生卵で精をつけて。何をする?

◇さら
収まりを見せぬコロナや山眠る
木挽町マスクさまざま擦れ違ふ
⇒新規感染者も重症者も連日最多更新ですね。いつ収束するかは誰もが思う心配ごとですが、「山眠る」の季語とは離れすぎ。
木挽町は銀座の歌舞伎座のあたりですね。でも様々なマスクとすれ違うのは木挽町に限らず全国どこででもでは。

◇蒼月
 はやぶさ2のカプセル回収にあたり
カプセルの火球見えるや山眠る
 ジョンレノンの死から40年にあたり
イマジンの流れる夜や山眠る
⇒あちこちでカプセルの火球が見えたという報道がありましたね。その火球の下には黒々と眠る山。
イマジンは「世界は変えられる」という反戦歌。「山眠る」の季語には合わない。

◇糸
山眠るワイン温むる香かな
しぐるるや静かに響くジャズピアノ
⇒山眠る夜、ホットワインの香りがしてきた。別荘の居間かも知れない。「ワインあたたむる」で字余りですね。
音もなく降る時雨とジャズピアノの取り合わせはいい。ただ「静かに」と「響く」は合いませんね。「響く」は鳴りわたることです。

◇遊介
山眠る炭焼き小屋に烟は立ち
山眠る盆栽ずらり並べをり
⇒炭の材料のクヌギやナラの木に水分が少ない冬が炭焼きの季節。枯れ果てた山から切り出した木だ。「けむりはたち」で下五が字余りです。烟立ちでいい。
眠る山と並べられた盆栽との位置関係がはっきりしません。盆栽が並べられているのだから展示場あるいは販売場ですね。冬山はどこに?

◇勝山
山眠る麓にきのこ研究所
山眠る社の前の鏡池
⇒学問的に研究しているのかまたは栽培技術の研究かわかりませんがいかにもありそうな研究所ですね。
山・社・池が景としてはっきりわかります。

◇はな
軒先に薬草吊るし山眠る
学童の黄色い帽子山眠る
⇒この薬草も今は眠っている山で採ってきたものだろう。山とともに生きる生活。
山里の小学校だろう。登下校のたびに眺めている山だ。私も今になってわかるがあの頃に見た山は原風景ですね。

◇あかね
山眠るダムの放水はもう少し
残照に皇太后碑や山眠る
⇒「もう少し」はもう少ししたら始まるのかもう少し続くのかわかりにくい。また「ダムのほうすいは」で字余りです。
皇太后は先代の天皇の皇后だが美智子妃は上皇后らしい。明治天皇の皇后だろうか。夕日があたっている。「こうたいごうひや」でこれも字余り。句を作ってから指折り数えて下さい。

◇光
夕暮に古墳三体山眠る
牛乳を一口含み山眠る

⇒野里子さんの句によく似ている。夕暮れの中にこんもりとした古墳。
牛乳を飲んでいる眼前に冬山があるのだろうか。どこかの別荘での体験かも知れない。

◇長月
漬樽に糠置きながら山眠る
モロッコの駱駝引く綱山眠る

⇒冬山の見える家で漬物を仕込んでいるのだろう。白菜はまさに今の季節ですね。ただ、「漬樽」は漬物樽のことだろうけどちょっと無理な造語ですね。また「ながら」とつなげないで切ったほうがいい。
山眠るは落葉した白い木に覆われた山を表す季語です。モロッコにそんな山がありますか。せいぜい岩山では?

◇三四郎
山眠るけものも蛇もふところに
葛城の山も仏も眠りけり




# by yqi00602 | 2020-12-13 10:25 | 勉強会 | Comments(0)

大門句会勉強会その364

大門句会勉強会その364_a0186995_08264814.jpg今回の兼題は光さん出題の「朴落葉」です。

◇馬空
奥の院目指す小径や朴落葉
南座はまねき上げとな冬仕度
⇒奥の院は大抵少し小高いところにある。踏み固められた小径に朴落葉が積もっている。
役者の名を入れたまねき看板を正面に掲げていよいよ年末恒例の顔見世が始まる。入場人数を絞りながらだが今年も開催されてよかったですね。こちらもそろそろ冬支度だ。

◇野里子
真夜中に転がる音や朴落葉 
ぎやうさんに何処から吹かれ朴落葉
⇒朴落葉は大きくて意外と重いので風で転がる音はがさがさと大きい。夜中ならなおさらよく聞こえる。
朴落葉が吹き溜まりに沢山たまっているが見渡しても朴の樹が見当たらない。どこから来たのだろう。

◇蒼月
子ら二人はしゃぎ踏みゆく朴落葉
道の端自転車で踏む朴落葉
⇒朴落葉を踏む音と感触は楽しいのだろう。わざと落葉の上を選んで踏んでいく。はしゃぎの「や」は大文字で。
後句は自転車だ。落葉は風で道の端に集まる。自然とその上を走るようになる。

◇さら
鍋代り肴煮てをり朴落葉
六百年の銀杏落葉や古尼寺
⇒朴葉味噌だろう。もともとは飛騨高山の郷土料理。朴葉の上に薬味を入れた味噌を置き茸や牛肉を入れて火にかける。酒の肴にぴったりだ。「鍋代り」はあえて言わなくとも。
尼寺の樹齢六百年の銀杏の大木だ。落葉も盛大に降り積もるだろう。

◇はな
コテージへ轍残りし朴落葉
湯気立てて網目数へる小さき声
⇒山小屋風の別荘かも知れない。舗装されていない山道に車の轍が続いている。周りには大きな朴落葉。風の音が聞こえるようだ。
ストーブの上に置いた鉄瓶から湯気が上がっている。ちんちんと音が鳴っているかも知れない。暖かい部屋でなにか編み物をしていて網目を数える声がする。作者はその声を聞きながら本でも読んでいるのか。「小さな声」というディテールを言って部屋の穏やかな雰囲気まで想像させる技は上手いですね。

◇光
朴落葉重なり積もる飛騨路かな
妻といるベンチにはらり朴落葉
⇒朴の樹は飛騨に多くありそうです。
樹木の多い公園のベンチだろう。ふたりで座っていると背後から朴落葉が降ってきた。

◇長月
散らばりて葉うら白めく朴落葉
夕方にバサリおとする朴落葉
⇒朴落葉は一方は茶色ですがもう一方は白銀色ですね。なぜか落ちた時は白い面が上になっていることが多い。その理由はどなたかご存じですか。
バサリは擬音なので「おとする」は不要ですね。夕方にばさりと朴落葉が落ちましたという単なる説明になっている。少しひねりが欲しい。

◇夢路
古九谷の窯跡おほふ朴落葉
元寇の沈船思ふ朴落葉
⇒古九谷のきらびやかな色合い(想像だが)と朴落葉の枯れた色彩の対比。
元寇といえば鎌倉時代に九州に攻めてきた蒙古の船団。暴風雨によって多くの船が沈没しからくも侵略を免れた。その時に沈んだ船にはるかに思いを巡らしている。朴落葉は直接の関係はないが落剝のイメージか。

◇遊介
朴落葉ひとつ掻ひては空見上げ
白神の仕舞いこれにて朴落葉
⇒熊手かなにかで朴落葉を掻き集めているのだろう。多すぎてこれではきりがないなあと思わず空を見上げた。
白神山地のことだろうか。ブナの原生林が残る山地をめぐって終着点に来た。そこに朴の大きな落葉。

◇あかね
朴落葉崩れ地蔵の傘となり
朴落葉今日は幸せ踏んだ音
⇒朴落葉が地蔵さまの頭に落ちてそのままということでしょうか。落葉はすでに散り落ちた状態ですから「崩れ」は蛇足。
朴落葉を踏んだら思いがけず気持ちのいい音がしたということかな。

◇勝山
手にとれば思わぬ重さ朴落葉
冬の灯の路肩にとまる宅配便
⇒ひろってみるとその重さにちょっと驚いた。確かに落葉にしては大きいし分厚い。
宅配便のバイクか軽自動車か、街灯のついた道路に止まった。どのお宅への配達だろうか。

◇三四郎
門柱に「葷酒許さず」朴落葉
待ち伏せの猟師の肩に朴落葉
# by yqi00602 | 2020-12-06 08:28 | 勉強会 | Comments(0)

大門句会勉強会その363

大門句会勉強会その363_a0186995_12260437.jpg今回の兼題は遊介さん出題の「おでん」です。

◇野里子
主食派だやれおかず派とおでん喰ふ
退社後の業績気にしおでん喰ふ
⇒おでん屋でおでんの食べ方を議論している。そういえばおでんを食べる時はごはんはなしですね。すると私は主食派?
サラリーマンが帰りに立ち寄ったおでん屋の会話です。酒の席でも仕事の話。それぐらいしか共通の話題がない。ある意味悲しい性。

◇馬空
割烹着似合ふ女将や関東煮
小春日やポールくるくる理髪店
⇒着物に割烹着のちょっと小粋な女将がいる。それだけで立ち寄りたくなりますね。
暖かい冬の日に理髪店のサインポールが回っている。長閑な雰囲気です。あの赤白青はなにか意味があるのだろうか。

◇さら
合宿の闇鍋おでん恐ろしく
遅咲きの山茶花咲きぬ狭庭かな
⇒おでんの闇鍋ですか。それは恐ろしい。箸ではさんだ感触だけではなにかわからない。私ならなにを入れようか。消しゴム、スポンジ。
山茶花は冬の季語で今さかんに見かけますね。遅咲きの品種があるのでしょうか。

◇蒼月
おでん種いつも余計ぞゆで卵
山茶花の散りしく宵のほの紅し
⇒ゆで卵が苦手なんでしょう。おでんの盛り合わせを頼んだらゆで卵が入ってくる。あるいは自宅のおでんか。見るのもいや?
山茶花の花びらが地面に落ちて薄闇の中に紅い色が見える。

◇はな
おでん屋に軋む引き戸の野毛通り
床の間の円空仏や木守柿
⇒引き戸のあり様が目に浮かびますね。木製で上の半分がガラスでレールにうまく乗っていなくて開けるのが固い。開けたらすぐにカウンターという小さな店でしょう。野毛らしい。
床の間には円空仏があって開け放たれた障子の先の庭には実がひとつ残った柿の木。信州あたりの旧家でしょうか。

◇夢路
アルミ鍋かぶりおでんのお手伝い
おでん屋で竹串数へあと一つ
⇒鍋をかぶりお手伝いというのがなかなか想像できませんが、鍋を運んでいるのでしょうか。それともふざけてかぶっている?
焼き鳥ならわかりますがおでん屋で竹串を使う具は限られていませんか。牛すじとかつくねくらいか。それを何のために数えているの?

◇勝山
黒々と裏新宿のおでん種
漱石忌車の屋根にふくら猫
⇒出汁が染み込みすぎて黒くなっているのか。なんか塩辛そうなおでんですね。
漱石と猫はつきものですが忌日の句は付きすぎでもいい。ぽかぽかと暖かい屋根で丸くなっている猫です。

◇あかね
金婚の言葉もいらすおでん食べ
何を聞くおでん取り分け夫の顔
⇒「いらす」となっていましたが「いらず」でしょうね。金婚ともなるとおめでとうもありがとうもないのでしょうね。ただ黙々とおでんを食べる。
どちらがどちらに聞くのでしょう。おでんを盛った皿を夫の前においたらなにやら聞きたげな様子だったということかな。

◇光
コロナ禍の斜めに座るおでん鍋
箸と箸争つているおでん鍋
⇒食堂などに入ったら席が対角線上に指定されていることがありますね。感染リスクを避けるためだろうけどお互いに顔を向けたら同じだと思うけど。この次は「しずかなマスク会食」となるのでしょうか。そうまでして食べたい?
ひとつの具を取り合っているのでしょうか。大家族のおでんですね。

◇長月
暮れなずむ窓に映るはおでん鍋
おでん鍋湯気の向こうに家族あり
⇒薄暗くなってきた窓におでんの鍋が映っている。なお、暮れなずむはなかなか日が暮れないという意味で春の様子ですね。遅日という季語があります。秋から冬は釣瓶落とし。
食卓を囲む家族。真ん中には湯気を上げるおでん鍋。

◇遊介
おでん屋の太き菜箸先朽ちて
生中に煮汁に浮かぶおでんかな
⇒おでん屋で具を盛ってくれる菜箸です。先がちびて丸くなって少し黒くなっていかにも使い込んだ箸です。
生ビールにおでん、たまりませんね。煮汁に浮かぶのはおでん鍋に入っている具ですね。そちらより目の前に出てきたおでんを詠みたい。

◇三四郎
らつしやいとおでんの湯気に迎へられ
真つ黒な八丁味噌のおでんかな

# by yqi00602 | 2020-11-22 12:27 | 勉強会 | Comments(0)

大門句会勉強会その362

大門句会勉強会その362_a0186995_08130548.jpg今回の兼題は夢路さん出題の「時雨」です。

◇野里子
はやばやと雨戸繰る家時雨けり
拾ひ詠む古今和歌集小夜時雨
⇒雨が降ってきたから雨戸を閉めたのか、閉めてからちょうど時雨が来たのか。後者だと思う。雨が来そうな予感がしたのだろう。
雨音が聞こえる室内で古今和歌集をひもといている。じゃまになるほどの音ではない。雨の歌でも見つけたか。

◇馬空
しぐるるや運転免許返上す
しぐるるや駐在さんは停年に
⇒高齢者に運転免許の返上を呼びかける声はよく聞きますね。返上する人はもともと慎重だから事故は起こさない。意地でも返上しないという頑固者が事故を起こす。「返上す」の終止形も切れだから上五の切れと重複しています。「返上し」くらいで流したい。
定年まで駐在勤務で地域の安全をになってきたのですか。ご苦労様。この景にしぐれは淋しい。少し明るい季語に。

◇さら
時雨るるやクラスメートの訃報入る
時雨るるや鍋の恋しき頃となる
⇒昔の同級生でしょう。そういうことが増える年代になりました。マイナスにマイナスでちょっと付きすぎ。
時雨はこれから寒くなる初冬の現象。鍋の季節ですね。

◇あかね
鐘が鳴る外人墓地に時雨雲
小夜時雨千秋楽になりました
⇒異国の雰囲気の外人墓地にも日本の風土の時雨は降っている。
相撲の千秋楽だとすると終わるのは六時ころ。小夜時雨にはまだ早い。演劇の千秋楽かも知れない。劇がはねて外に出るとにわか雨が降っていた。

◇蒼月
散り残るもみじ葉濡らす時雨かな
しぐるるや小蕪の白とあさみどり
⇒残る紅葉も初冬の季語だから季重なりですね。かならずしもだめというわけではないがこの句は全部が季語となりちょっとやりすぎ。
後句も季重なりですがこちらはまだ許される。あさみどりは蕪の葉ですか。とすると畑の景かな。

◇勝山
歩き初む熊野の道に時雨かな
拍子木は三重奏や酉の市
⇒「歩き初む」は初めて熊野道に来たのか、熊野道の出発点にいるのか迷うがとにかく熊野を歩いていたら時雨がやってきたのだろう。時雨という現象と熊野は合わないような気もするが。
熊手を買ったときに拍子木に合わせて三三七拍子をやってくれる。三重奏とは豪勢ですね。よほど大きな熊手を買ったのか。

◇光
笑みこぼる相合傘の時雨かな
時雨来る階段長し奥の院
⇒二人にとっては時雨も相合傘のチャンスをくれるもの。にやけている。
奥の院はいろんなところにあるがここは長い階段の上にあるのだろう。

◇長月
時雨るるや連なるハイカー峠道
田んぼ道寺の鐘聞く時雨かな
⇒ハイカーの列ができている峠。人気の山なんでしょう。あいにく雨が降ってきたが時雨だからすぐに止む。「ハイカー」の長音も一音に数えるので中七は字余りですね。
田舎の道を歩いていたら寺の鐘が聞こえてきた。その寺に行くところかも知れない。時雨の中の鐘の音もまた捨てがたい。

◇はな
しぐるるや琵琶湖眺むる源氏の間
おみくじは胸ポケットに冬薔薇
⇒源氏の間は大津市石山寺にある紫式部が源氏物語を書いたといわれる部屋。時雨はこの地方ではよくある現象でしょうね。しかし石山寺には行ったことがあるが現在は源氏の間からは琵琶湖はまったく見えない。当時は見えていたのだろうか。
おみくじは凶なら近くの枝に結び付けて帰るがこのおみくじは大吉だったのだろう。持って帰る。冬薔薇もお祝いかな。

◇夢路
時雨去天使の梯子海に降り
両国へ行けぬ力士に時雨来る
⇒天使の梯子は雲の切れ間から日光が放射状に降り注ぐ現象。雨が止んで海に差し込む日光。きれいでしょうね。
両国は国技館のことだろうけどなぜ行けないのか。怪我をして休場しているのだろうか。静かな相撲部屋を時雨がよぎる。

◇遊介
不揃いな薪積む軒に小夜時雨
時雨るや碓井峠の高架橋
⇒軒下に不ぞろいな薪が積んである。この家の主が自分で割ったのだろう。夜の雨だからかなり暗い。月明りもない中で軒下はそんなに見えないだろうと思うが。
正しくは碓氷峠と思うがいわゆるめがね橋のことですね。煉瓦造りのアーチに時雨が通り過ぎる。

◇三四郎
しぐるるや走り根しるき鞍馬道
江ノ電の尾灯のにじむ時雨かな
# by yqi00602 | 2020-11-15 08:14 | 勉強会 | Comments(0)